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滲出性中耳炎について おとな編 見逃してはいけない上咽頭癌

2020年9月14日

大人の方にも、滲出性中耳炎がありますが、子供ほど多くはありません。

【原因】大人の滲出性中耳炎特に片側のみの場合、見逃してはいけない病気が、上咽頭癌です。上咽頭とは、鼻の奥の突き当りの壁で、口蓋垂(俗にのどちんこ)の裏側上の部位です。耳鼻咽喉科診察で、鼻鏡で鼻の入り口を広げて光を入れてみても、上咽頭まではまず見えません。口の中をみても、口蓋垂の裏側上方なので見えません。上咽頭に異常がないか、ファイバースコープで見に行かないと上咽頭癌がないかはわかりません。上咽頭癌によって、鼻から耳につながる耳管の狭窄がおきて、結果として滲出性中耳炎になるのです。その他には、子供と同様、副鼻腔炎、など考えます。その他の原因として、アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症などで、鼻が詰まりやすい、鼻すすりのくせがあるなどがあります。

【症状】子供でも大人でも、滲出性中耳炎の症状は、聞こえにくい、耳閉感です。

【検査】滲出性中耳炎の原因が大人の場合、癌などの腫瘍が原因のことがあるため、上咽頭をチェックするために鼻からファイバースコープを挿入して腫瘍の有無を確認します。
また、上咽頭癌などでは、頸部上方のリンパ節の腫れがあることが多いため、頸部の触診をして、リンパ節の腫れがないかチェックします。
滲出性中耳炎が治れば、子供の場合はほとんど聴力は正常になりますが、大人の場合は元々難聴があることが多いので、聴力検査などをします。

【治療】原因となる疾患があれば、その疾患の治療をしていきます。それでも、改善しない場合は鼓膜切開をしますが、何度も切開が必要な場合は、鼓膜換気チューブ挿入する必要があります。経過が長い滲出性中耳炎で、55歳以上の患者様はチューブ挿入しないと改善しない傾向があります。また、原因がわかっても、手術しないと改善しない副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症があることも多く、その場合はそれらの手術加療をします。