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鼻呼吸の重要性その2 空気の通り道の気道としての機能

2020年4月27日

鼻の機能には、以下の大きく4つの機能があります。
1.空気調節機能(①空気の通り道の気道としての機能、②加温・加湿機能)
2.ろ過機能
3.嗅覚機能

今回は、1の①空気の通り道の気道としての機能について説明していきます。
鼻腔に入る空気は、成人男性で1日に10000~15000リットル=15kgと言われています。通常食物では1日あたり1.5kgなので、10倍もの多量の空気が鼻を通っています。
鼻の中の空気の通り道は、左右に分ける仕切りと外側から張り出した粘膜の狭い隙間です。そのため、口呼吸より、鼻呼吸の方が1.5倍のエネルギーを要します。このことは、鼻での呼気時の方が、口呼吸での呼気時より肺の虚脱が起きにくくなり、肺での酸素の取り込みに有利に働きます。

下に、鼻での気流の流れを示しました。図1では、鼻に吸気で周囲から入ってくる空気は、鼻入口部から60°の角度で流入します。
図2,3で、白い楕円部位は、嗅覚を感じる場所です。
吸気は、鼻の上部で複雑な動きをしており、嗅覚、加温・加湿に有利に働くことが示唆されます。
呼気は、線形な空気の流れが多く鼻腔の下の方が流量が多いです。白い楕円の嗅覚を感じる部位の流量は少ないです。そのため、呼気時には、においをほとんど感じません。

図1
鼻に入るとほぼ全ての気流が60°の角度で流入

図2
吸気時◯の部分の嗅覚感じる場所の、空気が届くような流れ

図3
呼気時は鼻の下部を主に空気が通る。◯の嗅覚感じる部位の流量は少ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図1の参考文献:Respiratory defense mechanism. Part1. New York:Marcel Dekker,1997 Swift DL.

図2,3の参考文献:医療用画像をもとにした鼻腔内流れの解析に関する研究 2003年 北陸先端科学技術大学院大学 中山敏男 https://core.ac.uk/download/pdf/58958318.pdf